新◆幕末新撰組13日目 ~初めての口づけ~

こんにちは。

意を決して、秘密を明かそうとした宇佐木ちゃん、でも宇佐木ちゃんには透けて見える自分の手が、土方さんには、何ともないように見えている様子・・・

これは、一体どういうことなのでしょうか? 謎ww

 

話せない


右手をそっと握られる

冷たい手

「なんだ、やけに冷たい手だな」

「冷たい?」

土方さんには、透けているのが見えてないんだ

その代わり、透けている部分に触れると冷たく感じるらしい。

「この体温は異常だな。お前、もしかして何か病を患っているのか?」

じっと見つめてくる瞳から、土方が本気で心配してくれているのだとわかる。

「・・・たぶん、病ではないと思います」

「じゃあ何だ?」

「それは・・・」

(きっと、私がタイムスリップして来たせいだけど・・・)

言葉を詰まらせ考える。

・・・もうこれ以上、土方さんにをつきたくない。せめてこの人にだけは、本当のことを知っていてもらいたい・・・

その想いが、全てを話す決意へと向かわせる。

「土方さん、突然こんなことを言って、信じてもらえるかわからないんですが、私、本当は・・・」

言いかけた途端、ぐらりと身体が傾ぐ。

「おい、どうした?」

強い眩暈に似た揺らぎを感じて倒れそうになると、土方の腕に抱き留められる

「え・・・?」

そのはずみで着物の袖がめくれ上がり、露わになった腕を見て息をのむ。

「そんな・・・」

もはや手どころの騒ぎではない。右腕の肘までもが透けてしまっていた。

「・・・・・・腕も冷たいな」

支えている土方も異常には気づいたようだ。

「土方さん、私、私・・・・・・。うっ・・・!」

途切れた話を何とか続けようとすると、またも強烈な目眩を感じて土方の腕へと倒れ込む。

無理に話すな

「・・・もういい、無理に話すな。とにかく今は休め。このまま部屋まで運んでやる」

ふわりと身体が浮き、土方の両腕に抱き上げられる

(話せない・・・?ううん、話しては駄目ということなの・・・?

偶然にしては、あまりにも出来過ぎた二度の眩暈。まるで見えない何かの力に、真実を語ろうとする口を塞がれたようだ。

(でも本当にそうなら、誰にも助けを求められない・・・。しかも、こんな風に透けて見えるのは私だけなんて、もしかして私、このまま誰にも気づかれることなく消えていくの・・・?)

 

温もり


土方の腕に抱かれて自室に連れて来られた頃には、身体が小刻みに震えていた

「おい、寒いのか・・・?」

そっと畳の上に降ろされると、土方が顔を覗き込んでくる。

「怖い・・・怖いんです・・・」

怖いと呟くほどに身体は震え、声に嗚咽が混じる。

「宇佐木・・・」

震え続ける身体が、ふわりと温もりに包まれる。

抱きしめられたのだと気づいて微かに顔を上げると、そっと後頭部を引き寄せられて頬が土方の広い胸につく。

事情はうやむやになったままだというのに、土方は追求する事もなく、ただこうして抱きしめてくれている。

「・・・うっ」

その優しさにたまらず涙が溢れ、土方の胸に顔を埋める。

「ごめんなさい、ごめんなさ・・・い・・・」

(嘘をついたまま、こんな風に甘えてしまってごめんなさい・・・)

言葉に出せない想いが、涙となって溢れていく。

「・・・謝らなくていい、大丈夫だ」

あやすように髪を撫でられて、また一筋の涙が零れ落ちる。

(どうしてこの人は、こんなにも優しいんだろう・・・)

涙で濡れた瞳でじっと見上げると、土方と視線が絡む

視線が絡む

「っ・・・!」

急に両肩を掴まれて身体を離される

「土方さん・・・?」

「白湯でも持って来てやろう。飲めば少しは落ち着くかもしれん」

決して目を合わそうとしないまま、土方は立ち上がる。

(待って、お願い行かないで・・・)

咄嗟に、土方の着物の端を掴む。

「もう少し、もう少しだけ・・・どうか傍にいてください」

まだ嗚咽混じりの声を必死に絞り出す。

今一人にされたら、きっと不安に押しつぶされてしまう。

「お前は・・・」

「んっ」

気づいた時には唇を奪われていた

 

初めての口づけ


土方と交わす初めての口づけは、衝動に任せたように激しく熱い

「・・・前に言ったはずだ、男の前で不用意な発言をするなと」

まだ互いの吐息を感じ合えるほどの距離で、土方の唇がかすれた声を紡ぎ出す。

「こんな夜更けに、そんな潤んだ目で引き留められれば、俺とて歯止めが利かなくなる。意味はわかるだろう・・・。それともわかってやっているのか?」

「それは・・・」

土方を引き留めた事に他意はないが、その言葉の意味がわからないほど幼くもなかった。

時間切れ

「・・・時間切れだ」

しばしの沈黙の後、土方が深く嘆息する。

「この馬鹿が、なぜすぐに否定しない・・・!」

噛みつくような口づけを受けて、そのまま二人でもつれ合い畳の上に倒れ込む

「もういい。何も考えず俺に身を委ねろ・・・」

冷静な土方らしくない荒々しい口づけを終えた時、その吐息は熱っぽく乱れ、見下ろしてくる眼差しは微かに濡れて色づいていた。

それでもこの身を抱きしめる腕は、どこまでも優しい

(土方さん・・・)

そっと目を閉じ、広い背中を抱きしめる。

抗う気持ちのひと欠片でさえ、もうどこにも残されていなかった。

 

時間切れ


「・・・時間切れだ」この言葉、私も言われてみたいです。もちろんこのシチュエーションで、ですよ。普通に言われたって、ただ慌てるだけですしww

寡黙な人が口にする、こういう一言って、やけにグッときますね。

言葉以上の意味を含んでいる言葉は、こういうちょっと危ういシーンでは、胸が震えます。つまり、胸キュンです。

土方さんは、私のタイプの男性なだけあって、最初から最後までドキドキさせてくれました。ふふ・・・世は満足じゃ

ということで、第4章終了で、レビューは一旦終了です。

新◆幕末新撰組”は、時代背景が幕末ということもあってか、純愛てんこ盛りのストーリーでした。

一昔前のドラマとか、韓流ドラマとか、純愛もの好きな女性には、特にお薦めしたいです。

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