新◆幕末新撰組9日目 ~腕の中~

こんにちは。

宇佐木ちゃん、一世一代の大ピンチです!

死ぬ恐怖っていうのは、もしかしたら、いつかは感じることになるのかもしれません(出来れば感じたくない)が、殺される恐怖って、相当なことがない限りは、起こり得ないことですよね。

私だったら、想像しただけで・・・・・、胸が張り裂けそうです。

生きていたら、いっぱい嫌なこととか大変なこととかあるけど、死ぬよりはマシ。・・・いや、死んだことないけどww

 

腕の中


殺される。

そう直感して反射的に目を閉じる。

宇佐木っ!

名を呼ぶ声が、覚悟した死の瞬間から現実へと引き戻す。

刹那の衝撃が走り、鋭い金属音が響く。そうして気づいた時には、土方の腕の中にいた。

「宇佐木、目を閉じて俺にしがみついとけ。このまま絶対に離れるな

(でも、邪魔じゃないの・・・?)

耳打ちされて見上げみても、土方の双眸は鋭く浪士を捉えたままだ。

片腕一本で

お前の身くらい、片腕一本で守ってやるって言ってんだよ」

着物の下に隠されたたくましい身体から、緊張感がひしひしと伝わってくる。

「くそっ、舐めおって!」

「邪魔だ、どけ!」

土方は素早く返した刀の柄で男の鳩尾を突き上げ、そのまま部屋の外へと飛び出す。

「よう、宇佐木!間に合ったみてぇだな」

「近藤さん!それに沖田さんも・・・!」

声のした方に目をやれば、二人が複数の浪士と切り結んでいる。

女連れかよ

「女連れかよ土方さん。ずいぶん余裕じゃねぇか」

何人もの的に囲まれていると言うのに、二人からは余裕の笑みすら垣間見えた。

「土佐の労使の方が、先に襲撃をかけて来たんですね・・・」

ここにきて、ようやく少し状況が見えてくる。

「やめんかっ!!」

闇夜に、鋭い音が鳴り響く。その一発の銃声が、乱戦の時を止めた。

硝煙を噴き上げる拳銃を天高く掲げて、塀の上に坂本龍馬が立っていた

「おんしら、一体何しゆうが!?こんのド阿呆っ!」

怒りに燃えたその両目は、新撰組ではなく浪士達を睨み付けている。

「さ、坂本さん、ワシらは・・・」

「ほたるな!もうええき、今すぐ退かんか!」

浪士達が次々と退いていく。

「おっと!」

坂本が、ちらりと視線を投げかけてくる

また会えた

「また、会えたじゃろ?」

坂本は苦笑すると、土方に視線を移す。

「新撰組、一応非礼は詫びておくぜよ。いずれまた、ケリはつけるき。ほんじゃ、またのう!」

「待ちやがれ!」

土方が叫ぶが、不敵な笑みだけを残し、坂本は塀の向こうへと身を翻す。

「・・・いけ好かない野郎だ」

 

お帰りなさい


土佐の浪士達による襲撃事件からしばしの時が流れ、京の都に新緑の季節が訪れた。

「近藤さん、どうしたんですか?それ・・・」

山のような書類を手にした近藤が、部屋から出てくる。

「ちょいと、急ぎで片付けなきゃなんねぇ書状が溜まっちまってよ」

「土方さん、大阪出張ですもんね」

近藤との何気ない会話が、ふいに物悲しい気持ちを連れてくる。

・・・やだな、これじゃまるで、土方さんに会えなくて寂しがってるみたいじゃない

ふるふるとかぶりを振ると、ふいに視線が指先へと落ちる。

「・・・え?」

見覚えのある、白く霞んだ指先。

(嘘・・・やっぱり気のせいじゃなかったんだ・・・)

指先はしばらく透けた後、すうっと元に戻り、そうしてまたゆっくりと透けていく。

・・・怖い。一体私の身体に何が起こっているの・・・?

――――――――――――

さらに幾日かが過ぎた頃、土方が京に帰還した。

「土方さん、お帰りなさい」

屯所の入り口にその姿を見つけて、思わず駆け寄る

今戻った

「ああ、今戻った。久しぶりだな」

(本当に久しぶり・・・)

「・・・何を笑ってる?」

眉を寄せる土方に、訝しまれていると気づいてどきりとする。

「あ、いえ。何でもありません」

さっと俯いて表情を隠す。再会の嬉しさが、無意識のうちに顔に出ていたらしい。心が微かにざわめいた。

「おお、歳っ!戻って来たか!!」

そこへ、屯所の外から近藤が帰って来た。

幕臣取り立て

「新撰組の幕臣取り立てが決まったぞ!」

 

祝宴


幕臣取り立ての吉報は屯所中を沸き立たせ、今夜は新撰組隊士のほとんどが、嶋原での大宴会に出かけて行った。

「土方さん、本当に行かなくて良かったんですか?」

断りを入れてから襖を開けると、机に向かって筆を執っていた土方が振り返る。

「片付けなきゃならん仕事が溜まってたからな。お前こそ何でわざわざ屯所に残った?」

「近藤さんに頼まれました。土方さんは、きっと何も食べずに仕事をするつもりだから、夜食を作ってあげてほしいって」

「ったく、お節介だなあの人も」

「ふふ、私も同感です。土方さんが無理をして倒れては、きっと皆さん困りますから」

生意気

「・・・生意気な口をきくようになったじゃねぇか」

口では悪く言いつつも、土方は破顔して筆を置く

「一応お酒も用意はしてみたんですが、まだお仕事中ですか?」

「いや、ちょうど人段落したところだ。もらおう」

「幕臣取り立ておめでとうございます」

そっと盃に酒を注ぐと、土方は一息にくいっと飲み干す。

「お前もどうだ?宇佐木」

(せっかくだし・・・)

「じゃあ、少しだけ」

両手で盃を受け取って、一口飲んでみる。

っ・・・!

思わずむせそうになって、軽く涙目になった。

「・・・お前には、強すぎたようだな」

 

片腕一本で


うああ。。「お前の身くらい、片腕一本で守ってやるって言ってんだよ」のくだり、やばしやばしww これぞ、まさに萌えキュン

強い人だからこそ言える言葉ですよね。

しかも、知ってます?土方さん、宇佐木ちゃんの前では浪士を斬らないでいてくれたのです。。

強くて優しくて美しい土方さん、素敵です。あ、でもコレ、プリ○ュアのキャッチフレーズと一緒ですね。

土方さん、未来を先取りしてます。もう本当に、素敵すぎます!

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