イケメン夜曲◆ロミオと秘密のジュリエット15日目 ~真相~

こんにちは。

暗がりに追い詰められたウサギちゃん、かなり大ピンチですが、女性から声をかけられたら、男性は勘違いしちゃいますよね~。

相手が外国の男性だと、通りすがりに目を合わせて微笑みかけただけで、”誘ってる”と思われるなんてこともあるらしいので、女性は気をつけましょうね。あ、外国の方への偏見的発言では全くありませんのであしからずww

 

真相


私はじりじりと追い詰められ、背中がバルコニーの壁にぶつかった。

その時――

手をどけろ

「・・・・・・その汚ねえ手をどけろ。今すぐだ」

低く這うような怒りをにじませた声が聞こえ、その先へ顔を向ける。

(アレク・・・・・・)

舌打ちしながら背後を振り返ったノートンが息を呑んだ。

「・・・! アンタは・・・・・・」

「・・・・・・お前が妙な動きをしてくれたお陰で、探す手間が省けた

アレクもこの人を探してたの!?

「観念しろ」

アレクに身動きを封じられ、ノートンはその場にがくっと膝をついた。

「はい、そこまで」

ラッド様ののびやかな声が聞こえて、緊迫していた空気が緩む。

「ラッド様、ハルさん・・・!」

バルコニーに足を踏み入れたふたりの姿を見て、ほっと安堵が広がった。

ラッド様が笑顔のままノートンの前にしゃがみ込む。

「よー、久し振りだな、ノートン」

(ラッド様・・・・・・目が全然笑ってない・・・)

大事な設計図

「で・・・俺の大事な設計図は、カジノのどこに隠れてる? 答えろ」

とうとう諦めたらしく、ノートンが何かを床へ投げ出した。

(・・・・・・これは、?)

「設計図は、カジノのバックヤードに置かれた金庫に隠してある。それが鍵だ」

それから――ノートンは真相を洗いざらい告白した。

「つまり・・・『設計図を持ち出せば大金を渡す』と言われて横流ししたものの、金はもらえず、カジノの幹部に設計図だけ巻き上げられそうになった・・・・・・と」

ラッド様がノートンの話をまとめるように繰り返す。

今までじっと黙って話を聞いていたアレクが口を開いた。

「その幹部の名前は・・・・・・スミスってヤツで間違いないか?」

「アンタはスミスに言われて俺を追って来たんじゃないのか!?」

「んなことひと言も言ってねえ」

疑問でいっぱいになりながら、私は呆然とアレクの背中を見つめる。

どうしてアレクが・・・そんな相手の名前を知ってるの?

 

臨時協定


舞踏会の広間へ戻ると、ラッド様は静かな声でアレクに告げた。

「アレク、俺とハルはこれから、この屋敷の主人に退出の挨拶をして来る。帰ったら・・・・・・話をつけよう

頷いたアレクがそっと私の腕を掴む。

「ラッド、ウサギは先に連れて帰るぞ。襲われかけた場所に、いつまでもいさせられねえ」

(アレク・・・・・・)

――――――――――――

車を呼んで乗り込むと、アレクはすぐに口を開いた。

「どうして今夜・・・令嬢のふりをして貴族の舞踏会にいたのか、全部話せ」

そうして私は、今までの事情を順番にアレクに話した。

「ウサギ、お前・・・・・・あえて言うけど、バカだな」

バカだなって

(バカだなって・・・)

「”そうかもしれないけど・・・”」

会話が途切れ、車の中に短い沈黙が落ちた。

「・・・・・・今度は、アレクの番だよ」

アレクは私の視線を受け止め、真っ向から見つめ返した

「・・・・・・俺のフルネームは、アレクシス=ブラッドレイお前の言う敵側貴族の当主、ローガン=ブラッドレイの甥だ

(え・・・・・・!?)

信じられない気持ちでいると、アレクはさらりと付け加えた。

「ただ・・・今はもう、貴族はやめた

どうして、という言葉が喉まで出かかった時――車が止まった。

それからしばらくしてラッド様とハルさんも屋敷へ戻り、4人がリビングに集まった。

「俺はそもそも、カジノの幹部・・・スミスの企みを探ってたんだ。あいつがローガンに黙って怪しい動きをしてたんでな」

話し始めたアレクの表情は、『ブルーベル』で見るどんな顔とも違っている。

(つまり・・・アレクは個人的な理由でスミスって人を調べてたんだ・・・)

「だけどまさか・・・・・・スミスがラッドを会社ごと潰そうとしてたとはな。縁を切ったとは言え、身内の不祥事だ。一応、詫びを言っとく」

「いや、金庫の鍵は手に入ったし、これで・・・カジノに乗り込んで設計図を取り戻せる。それで万事解決だ」

答えるラッド様の声は、とても静かだった。

「・・・・・・なら、俺もお前らを手伝ってやる

(えっ・・・・・・敵側貴族だったアレクが、ラッド様を手伝う・・・!?

その時、ハルさんの鋭い声がリビングに響いた。

手伝うメリット

「ひとつ聞きたい。我々を手伝うことで、君に何のメリットがある?」

「俺がブラッドレイ家を出たのは・・・両家のくだらねー対立を解消させることが目的だ。両家の対立激化を避けるためなら手を貸す。それだけだ」

アレクの目には、今まで見たことがないほど真剣な色が浮かんでいる。

「了解。それじゃ俺たちは、臨時協定を結ぶとしようか」

ラッド様が、一時休戦と言うように両手を上げて見せた。

 

優しくない同僚


あれから部屋に戻ったものの、なかなか寝付けず、私はなんとなく屋敷のバルコニーへ足を向けた。

冷たい夜風が吹きつけて、髪を乱されたその時――

「・・・・・・ウサギ? 何してんだ」

「あ・・・・・・ちょっと、眠れなくて」

アレクは静かに歩み寄り、私の隣に並んで手すりにもたれる。

(どうしよう・・・。何を話したらいいんだろう)

アレクが抱えていた秘密は私の想像を越えていた。

同僚として少しは仲良くなったつもりでいたけれど、そんな関係がちっぽけなものに思えて、寂しさで胸が痛んだ。

「ウサギ。お前今、ごちゃごちゃくだらねえこと考えてるだろ」

「同僚が実は貴族でした、なんて言われたらびっくりして当然でしょ」

「今までの俺はお前にとって、どんな人間だった?」

「それは・・・・・・私の知ってるアレクは・・・無愛想で、口が悪くて、寝起きなんか最悪で・・・・・・優しくなくて、」

(だけど・・・・・・時々、優しくて・・・すごく気になって・・・)

「・・・サーブの腕前が一流な、ティーサロンの同僚だったよ」

すると、アレクが肩をすくめた。

「じゃ、それが今の俺だ。お前との関係は変わらねえ。俺はこの先も、お前の優しくない同僚だ」

じんわりと嬉しくなって、私はアレクに笑みを返す。

「お前な・・・」

見下ろしてくる琥珀色の瞳が、不意にを帯びたような気がした。

好きなヤツいるくせに

「・・・・・・好きなヤツいるくせに、他の男にそんな顔すんじゃねえ」

(アレク・・・?)

鼓動がどくっと高鳴り、言葉に詰まる。

何も言えずに見つめ合っていると・・・不意に、鼻を軽くつままれた。

「っ・・・・・・何するの!?」

抗議するけど、アレクは答えずに手を離しさっさとバルコニーを出て行く。

(・・・・・・こんな風に、どきどきさせないで欲しい)

 

笑顔にドキッ


今回は、盛りだくさんの内容でしたが、やはりなんといっても、最後のシーン見どころだと思われます。

笑顔が魅力的な女性って素敵ですよね。

アレクもウサギちゃんの笑顔には、翻弄されっぱなしみたいです。

こういうぶっきらぼうキャラの男性が照れたり翻弄されてる姿って、可愛くてキュンとしちゃいますね。

そんな姿をたくさん引き出してもらえるように、ウサギちゃんには、スマイル0円で頑張ってもらいたいと思います。

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