おいらん乙女~宇佐川さま編~10日目 ~会えない~

会えない


歌舞伎に連れて行ってもらってから、宇佐川様は姿を見せなくなりました。

寂しい気持ちを紛らわせようと、私が三味線に向かっていると、相良さんがやって来ました。

なんだか、いつにも増して険しい表情です。

そして相良さんは、君と宇佐川様のことだ、と前置きをして話し始めました。

相良 「歌舞伎を見に行った日のことが、尾ひれ背びれがついて悪い噂になっている。」

しかもそれは、ただの噂話では済まず、歌舞伎界にも広がって問題視されているのだそう。

その上に・・・

相良さんの苦言

相良 「彼の役者生命が絶たれる危険性もあると言う。」

私は、言葉を失うしかありません。

さらに、相良さんは続けます。

相良 「きっと、もういらっしゃることはないだろう。」

(宇佐川様がもういらっしゃらない・・・会えない・・・?)

最後に、「これ以上、彼に深入りしないことだ。」と、私にトドメの一撃を刺して去って行きました。

(宇佐川様とは、もう会えない・・・?)

受け入れられない現実に身動きが出来なくなってしまった私は、ただただ、宇佐川様と過ごした短い時間をなぞるように思い返していました――。

――――――――――――

けれど、その夜――。

いつもの宇佐川様

宇佐川 「よう、うさぎ。」

まるで何事もなかったかのような、いつものあの高慢ちきな笑顔で、宇佐川様がやって来ました。

宇佐川様の登場に驚いている私の元に、やはり今日も険しい顔の相良さんが顔を出します。

もしかして、宇佐川様とふたりきりになることを、相良さんは許してくれないかも・・・と心配しますが、予想に反して、すんなりと通してくれました。

そして、部屋に移り、宇佐川様とふたり並んで腰を下ろします。

宇佐川様はおもむろに腕を伸ばすと、私の身体を抱き寄せてきて――。

 

見どころとおすすめポイント


前回までは、とっても良い雰囲気だったのですが、なんだか話の流れが切ない方向に進みつつあるような気がします。

宇佐川様に深入りするな、と言っておきながら、彼がやって来た時に会うことを反対しなかった相良さん。

まるでお別れを言いなさい、とでも言っているかのようなニオイがプンプンです。

そして、まるで何事もなかったかのように振る舞う宇佐川様もなんだか怪しい

もしかして、宇佐川様もそのつもりなの?なんて、思うと胸が締めつけられそうです。

次話、間違いなく気になります!!

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