おいらん乙女~宇佐川さま編~9日目 ~高鳴り~

高鳴り


公演が終わり、演芸場の外に出て来たところを宇佐川様のファンに見つかってしまいます。

そばに寄り添っていた私は、熱狂的な女性たちに突き飛ばされてしまいますが、宇佐川様が助けてくれて、軽い怪我を負ったものの、その場はなんとか事なきを得ました。

そして、少し離れたところで宇佐川様が手当てをしてくれました。

うさぎ 「ありがとうござます、宇佐川様。」

けれど、なんだか宇佐川様は深刻そうな顔をしています。

宇佐川 「幸い、深い傷じゃなさそうだが・・・。悪かった。」

なんと、宇佐川様はそう言って、私に頭を下げるのです。

私は驚きつつ、宇佐川様のせいじゃないと否定しますが、宇佐川様は謝罪をやめません。

宇佐川 「いや。俺の客を止められなかったのは、俺の責任だ。女の身体に・・・ましてや花魁であるお前の身体に傷をつけることになるなんて。」

謝罪

宇佐川 「本当に、申し訳ない

表舞台に立つ者としての宇佐川様の責任感と、男性としての優しさを感じて、私は胸が熱くなります。

うさぎ 「私、昔から丈夫ですし、傷の治りも早いんです。」

どうにか宇佐川様を慰めたくて、私は、ちょっととぼけてみせます。

宇佐川 「うさぎ・・・。」

うさぎ 「もしも、傷が少し残ったとしても、平気です。天下の五辻歌春につけられた傷だと言って、自慢しますから。」

さらにボケをかぶせてみると、宇佐川様は一瞬はっとした表情をして――

笑顔

宇佐川 「ははっ、そりゃ最高だ。」

そう言って、面白そうに笑ってくれました。

そして、満面の笑みを見せたまま、私の頭を撫でてくれます

私はその手のぬくもりが心地よくて、思わず目を細めます。

けれど、宇佐川様は私を見つめると、「ここで待ってろ」と言って、突如、姿を消してしまいました。

――それからしばらく経ち、探しに行った方がいいのかと、不安になりかけた頃にやっと戻ってきてくれました。

宇佐川 「ほらよ」

宇佐川様に、小さな包みを渡されて、促されて開けてみると――

紫色のとんぼ玉がついた綺麗な簪(かんざし)が入っていました。

お礼を述べて、さっそく着けてみようとすると、私の手からそっと簪を取り上げて着けてくれます。

宇佐川 「うん、思った通りだ・・・よく似合ってる。」

綺麗

宇佐川 「綺麗だ、うさぎ。」

宇佐川様の囁きと柔らかな視線に、私の胸が甘く疼きます

お店に帰ったら鏡でじっくり見ます、と告げると、宇佐川様は今すぐに自分の姿を確かめる方法があると言って、ぐっと顔を近づけてきました

宇佐川 「俺の目を見ろ。」

私は心臓が高鳴って、自分の姿を見るどころではありません。

だけど、動揺を悟られたくなくて、曖昧に返事をします。

そんな私の気持ちに、鋭い宇佐川様が気づかないわけがなく、

宇佐川 「・・・瞳が潤んでるな。」

そして宇佐川様は、視線を外そうとせず、こう言うのです。

惚れた

宇佐川 「俺に惚れたか?」

 

見どころとおすすめポイント


す、素敵!!!

今回のストーリー、あまりにも素敵すぎて、ほとんど遊び入れずに書かせていただきました。

いや、だってこれ、普通に恋仲にあるふたりのラブラブなやり取りではありませんか?

私、ドキュンドキュンしちゃいました。

そして宇佐川様、前回に引き続き、絶賛優しさ大サービス中です。

そのうえに、しかも今回は、謝罪がありました!

宇佐川様が謝罪!?と思って、私(本当に)二度見しました。w

出会った頃の傍若無人ぶりとは、まるで別人のようです。

でもきっと、芯・・・というか意志の強い人なんだと思いました。

偉ぶる時は偉ぶるw、頭を下げる時は下げる、っていう感じ。そういう人、嫌いじゃないよ。

とにもかくにも、このストーリー、私、大好物です。すこぶるオススメでした。

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