にゃんらぶ~私の恋の見つけ方~3日目 ~本当のキス~

願い


西條さんの言葉に首をかしげていると、店長に肩をたたかれました。

「もう、閉店時間だね。片付け、はじめようか?」

―こうして私の一日は終わっていきます。
楽しい仕事と、個性的な人たちに囲まれて。
充実している毎日だけど、なんだか少し物足りない・・・。―

「それでは、店長、お先に失礼しますね」

ありがとう

「うん、おつかれさま。今日も1日ありがとう。明日もよろしくね」

「はい!おつかれさまでしたー」

店長の優しい笑顔に見送られながら、店を後にしました。
イケメン店長にこんな素敵な言葉を毎日かけてもらってて物足りないなんて・・・、うさぎ氏、贅沢だわよw

――――――――――――

(はぁ・・・今日も疲れたな・・・。そうだ、気分転換に寄り道して帰ろう)

私は、少し探検気分で、昼間、のら猫と戯れた公園に向かいました

そこには、たくさんののら猫がくつろいでいました。オホッ♪

「ふふっ、一緒にくつろいでもいい?」

のら猫に癒やされつつも、私は大きくため息をついてしまいます。

「はぁ~~」

今の仕事に不満はないし、辛いことも特にない・・・でも、なんだか物足りないんだよね

そんなことを考えながら歩いていると、黒い毛並みがきれいな黒猫が草垣の奥から現れました。

(あ、きれいな黒猫・・・どっかの飼い猫かな)

「珍しい猫ちゃんだね!やっぱりどっかのお家の子なのかな」

黒猫はじっと私のことを見つめ返してくれます。

しなやかな体、きれいな毛並み・・・まるで生きた芸術品のよう。

・・・・・・私もになりたい

猫ちゃんを見つめているとポツリとそんな言葉を呟いていました。
まぁ、疲れた大人が猫を見るとみんな言いますね、このセリフ。

願いを叶えてやる

「いいだろう、願いを叶えてやる

「きゃっ!!」

謎の声とともに、突如フラッシュを焚いたように目の前が真っ白になります。

そして私は、混乱しながら意識を失っていったのです・・・。

 

本当のキス


目を開くと、そこには地面が広がっています。

何が起こったのか理解できず、瞬きをしていると、頭上から声が聞こえました。

「おい・・・おい、いつまでそうしてるんだ」

顔を上げると、そこには先ほどの美しい黒猫が私の顔を覗きこんでいます。

(・・・わぁ!?)

思いのほか近い場所に黒猫がいて驚きました。

しかもこの黒猫、いつの間にかビッグになったような・・・。
※映画俳優がハリウッド進出を果たすという系統のビッグではありません。

とにかく急いで立ち上がると、なんだか違って見える景色が広がっているのです。

どういうこと・・・?地面が近い・・・?

いつもより明らかに近い地面を見下ろそうと、足元をみると、そこには猫の足が二本ありました。
お♪猫の前足って、ぬいぐるみのようで本当に可愛いですよね。私、何時間でも見てられます・・・でも今は、それどころではない。

右手をあげようとすると、右側の猫の足が上がり、左手をあげようとすると、左側の猫の足が上がります。

(ゆ、夢よね。まさかそんな・・・)

「夢なんかじゃない。ほらよく見てみろ」

そもそもこの黒猫がしゃべっているという驚愕の事実を誰も突っ込まなくて良いのか、という衝動は置いておいて・・・

私は近くにあった水たまりを覗きこみました。

するとそこには、私の顔ではなく、白い猫の姿がうつりこんだのです。

(嘘・・・まさか・・・そんな・・・)

どうやらこのしゃべる黒猫が私の冗談のような呟きを聞き入れ、叶えてくださったそうです。おお、神よ・・・

私は、ニャアニャアと猫語で、元に戻してほしいと懇願します。

「残念ながらオレにはどうすることもできない」

(そんな、じゃあ私・・・このまま・・・)

絶望に打ちひしがれる私に、黒猫が言いました。

呪いには必ず解く方法がある

(・・・え!?どうすればいいの?)

本当のキス

「それは・・・・・・、本当に好きな人とキスをすること

黒猫はそう告げると、まるで煙のように姿を消してしまいました。

(嘘でしょ・・・・・・)

 

猫人間


「・・・・・・私も猫になりたい」

私が、猫を飼い始めてはや2年。このセリフを何度呟いたかしれません。

その都度、この黒猫くんが私の前に現れてくれていたとしたら、私は既に猫人間としてかなりの経験と実績を積んでいたに違いありません。

それにしても、何気なく言ったセリフを叶えてくれるなんて・・・、私も叶えて欲しいことをもっといろいろ呟いてみるべきかしら?なんて

黒猫くんいわく、呪いを解く方法が”本当に好きな人とキスをすること”らしいですが、これって何気にハードル高いですよね。

非リア充には、直視できない文言です。みなさん、一緒にアイマスクを買いに行きましょう。

Ranking

Category

Tag Cloud

Archive